牛由来ゼラチンにおける狂牛病対策について

 
2001年10月6日
新田ゼラチン株式会社
 
 
 
 
 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 弊社では、狂牛病の国内発生をうけ、牛由来のゼラチンメーカーとして、狂牛病に対する安全性確保に向けた対策を実施しております。実施内容と弊社の見解につきまして、ご報告申し上げます。

 

 

1.狂牛病発生国産の牛骨・牛皮は使用しておりません。
 
 厚生労働省の通達※1に従い、牛由来原料の食用ゼラチンの安全性確保について自主点検を行い、狂牛病発生国産及び原産国不明のものを使用していないことを確認しました。
 当社牛原料は、アメリカ産、カナダ産、オーストラリア産、ニュージーランド産、インド産、タイ産の原料です。これらの国は国際獣疫事務局※2の調査で、狂牛病について非発生国とされています。
 
2.特定危険部位<脳、脊髄、眼球、回腸(小腸の一部)>は使用しておりません。
 
 弊社が製造しておりますゼラチンは、その原料として牛骨と牛皮を使用し、厚生労働省より発表された通達※3に関わる牛由来原料の特定危険部位は使用しておりません。
 1997年のWHO(世界保健機構)による狂牛病罹患牛の臓器別感染リスク※4の公表以降、牛由来原料に対する調査を実施しました。現地原料供給メーカーより、「脳、脊髄、眼球、回腸などの特定危険部位は混入していない」旨の証明書を入手しており、その安全性を確認しております。

 
3.肉骨粉を飼料として与えた牛の骨および皮は使用しておりません。

 
 アメリカ、カナダでは、全ての生産業者に肉骨粉を飼料として与えないことの宣誓書を国へ提出することを義務づけられています。
 また、オーストラリアでは1996年以来、反芻動物由来のたんぱく質を牛の飼料として与えることを法的に禁止しており、原料牛の生産者から同法に従っている旨の証明書をいただいております。
 ニュージーランド、インド、タイにおいても、肉骨粉を反芻動物に飼料として与えることが法的に禁止されております。
 さらに、弊社は各国の公的獣医師による牛の健康証明を入手しています。

 
4.製造工程において狂牛病のリスクを排除しています。

 
 ゼラチンは、原料である牛骨は酸及びアルカリで、牛皮はアルカリで前処理したのち、原料中のコラーゲンを温水によって加熱抽出します。こうしてできたゼラチン液は、ろ過、イオン交換などの精製工程を経て、高温殺菌を行ない、乾燥して、ゼラチンとして製品化されます。
 こうした製造工程中にある、酸による処理、長時間のアルカリ処理、フィルターろ過、高温殺菌などにより、狂牛病感染リスクが10億分の1にまで低減することが、世界のゼラチン製造販売の半数を占めるヨーロッパのゼラチン工業組合(GME※5)による公的研究機関への委託研究によって認められています。この研究結果はEUのホームページ※6上にて公表されています。
 
 以上により、弊社では今後とも、原料調達における安全性の確保及び製造工程での安全性確保に努め、皆様に安心して利用いただけるゼラチンの製造を心がけてまいりますので、今後ともどうぞご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

 

  以上

 
※ 1) 厚生労働省通達 食発294号(平成13年10月5日)
※ 2) OIE:Office Internationale des Epizooties(=国際獣疫事務局)家畜伝染病の国際的監視組織として設立され、国際防疫のための国際規約を定めている。
※ 3) 厚生労働省通達 医薬発1226号(平成12年12月12日)
※ 4) Report of a WHO Consultation of Medical and Other Products in Relation to
Human and Animal Transmissible Spongiform Encephalopathies with the
participation of Office International Des Epizooties(OIE) Geneva, Switzerland,
24-26,March 1997
※ 5) GME: Gelatin Manufacturers of Europe(=欧州ゼラチン工業組合)
※ 6) http://europa.eu.int/comm/food/fs/sc/ssc/out34_en.html