ニカワの説明

紀元前1470年に作られたエジプト王の墓の中の壁画には、ニカワを煮て使う方法が
描かれていた。この墓の中から化粧箱,椅子、テ−ブルなどの木製家具が多く出土した。
それらの組立て方法は、今日と変わらない技術が用いられていた。たとえばコクタンなど
銘木を薄い板にし、箱などの上にニカワで接着していた。この様に数千年も前のエジプトの
文化が極めて高かったのかわかる。
わが国では、仏教伝来以来、動物の肉食を嫌い、ニカワは使用されなかった。
しかし、弓作りと墨には、ニカワをひそかに使っていた。それらの作り方は、伝家の秘法として
代々受け継がれていた。ニカワが今日の様にマッチ、紙器紙工用、製本用、研磨用、etcとして
工業用に発展したのは明治以降の事である。
今日では、各家庭でチュ−ブに入れた接着剤が2、3本はあるし壁や天井、床材、カ−ペット
家具、電化製品、書籍などの接着剤を使用した製品に囲まれて生活していますが、古来より
今なお残っているニカワには他の接着剤にはまねのできない特徴があり公害のない接着剤
として見直されております。

種  別
 1 種  2 種  3 種  4 種  5 種
 水 分% 16以下 16以下 16以下 16以下 16以下
 粘 度mp 60以上 50以上 40以上 30以上 20以上
ぜり−強度g 250以上 200以上 150以上 100以上 50以上
 灰 分% 4以下 4以下 4以下 4以下 4以下
 油脂分% 1以下 1以下 1以下 1以下 1以下
不溶解分% 0.5以下 0.5以下 0.5以下 0.5以下 0.5以下